記憶すること、理解すること、想像すること ~教える立場から~
前の記事では、教えるときに具体的に想像しやすいように話すことを意識しているとお話ししました。
ちょうど3日前に、うまく意識しているとおりに教えられたんじゃないかな、と思う出来事がありました。
コーヒーに関することを学生の男の子に教える機会があったんですね。
コーヒーの知識量でいうと、まだ「お店に置いてあるラインナップはわかる」程度。
今回は生産地のことなどを教たんですが、彼自身そういう話はあんまり身近なことではなかった。
彼自身はわりと想像力豊かなほうだと思うんですが、やっぱり身近じゃないコーヒー関連の話になると、見慣れない言葉が多かったりして少し想像しづらいみたいです。
2週間前にも彼に教えたことがあったんですけど、そのときには
高品質なアラビカ種は寒暖差があるような微気候、標高の高い場所、ミネラル豊富な土地などで育つ
という生育する環境面でのことなどを軽く教えました。
そして今回教えるのは
アラビカ種の高品質なコーヒー豆というのは、主に世界地図でいう赤道付近のコーヒーベルトという地帯で生産されています
ということです。
ではなぜコーヒーベルトじゃないと育たないんでしょうか。
実際に「なんでコーヒーベルトで育つかわかる?」って聞くと、わからないという顔をしていたので
「赤道付近ってどんな感じやろうか?ただ暑いだけじゃない?」と聞いてみました。
その先の会話です。
「あー確かに確かに。え、でもどーゆーことや?それじゃ育たないですよね。」
「前に一緒にしたこと覚えてる?高品質なコーヒー豆ってどんな環境で育つんやっけ?」
「えーとそれは確か、寒暖差があったりとか気候が複雑なとこですよね!ほなやっぱり育たないじゃないですか。」
「じゃあ栽培されてるのってさ、例えばどんな場所かわかる? あ、もちろんコーヒーベルトやねんけど、そういう意味じゃなくてもっと日常的に。んー…海に近いとことか、いま自分達がおる街中とか、山奥とかさ?」
「あ!山です、山!」
「そう!しかも標高高めのとこやんな!じゃあ赤道付近で、高い山で自分が1日過ごしてたらどーなる?」
「……あーー!そーゆーことか!むりむり!昼めっちゃ暑いし夜めっちゃ寒いわ!……コーヒー豆ってドMですね。」
って、最後は真剣な顔で。笑
わりと彼自身がお喋りでちゃんと返してくれました。それに助けられた部分もあるんですが、最後こういうふうに返してくれたってことは、想像力をかき立ててあげられたのかなと思いました。
会話をする中でおそらく彼は、想像しては少し疑問を持って、ずっと答えを探っていた感じだと思います。
そして前に学んだ「標高の高い山で」ということがすぐ思い浮かびそうになかったので、半ば無理やり誘導してみました。笑
教えた側の手ごたえとして、あれこれ想像力を膨らませ、前の復習もかねて、学習できたのかなと。
最後には自分が山にいるような臨場感も味わっていたようなので、脳みそにいい刺激を与えられたのかなと。
そんなふうに感じでした。
結局は彼自身にどれだけ理解できたかを教えてもらったり、どういうふうに覚えているかを確認したりしないと、まだ上手くいったのかはわからないんですけどね。笑
自分で学ぶとき、例えば本を読むときとかでもそうなんですけど、読みながら自分の知っていることと照らし合わせてみたり、文章を読みながらイメージをわかせたりして、脳みそを働かせながら取り組んだときのほうが頭に入るんですよね。
こう話していると前のワーキングメモリの話
ともつながってきますね。
あまり知らないことであればあるほど脳みそをその目の前のことに集中させ、いっぱい想像したり脳みそを刺激したりすると、より理解も早いし、次に復習するときなんかもよく覚えられているなと僕自身は感じます。
疑問を持たせ想像させてあげるということは、集中させてあげることだったりもするのかも。
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